クラシックとポピュラー、ジャズの違い
中高生になると、ヒットソング、映画のテーマ曲、または好きなアーティストの曲も弾きたくなってきますよね。
私も昔から、J-POPも洋楽も好きでしたから、弾くことにも抵抗なく得意でした。正確には、得意だと思っていました(恥)
若かりし頃、POPSを弾く機会があって、ミュージックデータと合わせるという演奏スタイルで発表する機会がありました。私だけでなく、他の先生もです。
まずここで私のことはいったん棚に上げますね(笑)
私よりも断然弾ける先輩のピアノの先生が、ポップスを弾くのを見てると、どうも違う。オケとも合ってない。例えて言うなら、カラオケで松田聖子を歌うのに、声楽調で歌ってる感じというのでしょうか。
当時、新米の私は(そうかー、クラシックの先生ってこういうの苦手なんだな)
と、思ったものでした。まだ私の方がハマってると。
その10数年後、私はクラシックから一旦離れ、中学の頃から憧れだった作曲をしたいと勉強を始めるうちに、ジャズピアノに出会います。ジャズピアノに出会う前、コードやピアノアレンジのレッスンをしてもらいました。
私は、前述しているとおり、根っから好きなわけですからポピュラーピアノになっても 当然ハマってると思い込んでレッスンを受けたわけです。
ところが、そんな私に、先生から衝撃の言葉が。
「先生は(私のこと)、長くクラシックをやってらっしゃったから、やはりクラシックの弾き方になってしまっていますね」
「これでは例えば、バンドで弾くなんていうことになった場合厳しいですよ」
がーーーーーん!!!!
そうなんです。専門の方からすると、私のポップスはポップス風だったにすぎない。単に自分のフィーリングだけでそれらしく弾いていただけだったのです。さらに言うと、こちらのジャンル、フィーリングだけで弾ける気でいていいほど甘くない。
私は、柔軟な人間なので(笑)、私に限ってそんなはずないわという、畑違いの先生が陥りがちなプライドなんてありませんでしたから、先生の言葉がかえってありがたいと思い、そこからポピュラー、ジャズの奏法を叩き込んでもらいました。
そうして、かつての私は確かに間違っていたと気づくことができました。
そして、クラシック畑の人には、なかなか難しいジャンルだと痛感しました。今も非常に上手なピアニストが、余興的な感じでジャズを弾いたりするのを聴くと、
(ぜんぜんちがうんだけどな。へんなノリでちょっと聴いてられない)
とわかるんです。
そして、その違いがわかるようになった私は、ようやくこのジャンルを自信をもって教えられる先生なのではないかと思ったのです。
私の経験談ばかりになって恐縮ですが、クラシックとポピュラーの違いをすごくすごく簡単に説明しますと、
・beatの感じ方の違い
拍子と言ってしまうとニュアンスが変わってしまうのですが、ポップスはbeatは一定のテンポを刻みます。左手でビートを刻むので、それを一定にしてメロディをのせます。どんなに揺らがせたくなってもbeatを優先します。
クラシックでは、左手で担当することが多いバスおよび拍子感を土台としつつも、フレージングによって、歌わせることによってテンポが変わったり、呼吸に合わせて「間」を作ったりしますよね。その習慣がポピュラーでは裏目に出てしまいます。
・拍の捉え方
アフタービートと言って、裏拍を感じることで音楽のグルーヴが形成されている曲の時は、クラシックと真逆なので、悲惨なことになります。
4拍子では、本来は1拍目が強拍となりますが、ジャズでは裏拍を出します。一拍目を意識しているわけではないのに、先生に何度「1拍目を大事にしすぎです!」と言われたことか…。
自分で思っている以上に、クラシカルな奏法が体に染み付いていたことに驚き、ポピュラーもジャズも然るべき奏法で演奏すると、なんとカッコよく弾けることかと思いました。
あと大切なのは、使用する楽譜が
「クラシカルなアレンジ」なのか、「ポップスなノリにアレンジ」されているかを見極めることも大事ですね。どのようなプランで書かれているかで指導が違ってきます。
ヒットソングなどは、譜読みさえ教えれば簡単と思われそうなのですが、それだけでは実はカッコよくないことが多いので、気になる方はちょっと習ってみるのもいいかもしれません。
自分でハマっていると勘違いしていた当時の私(笑)でも、他の先生の演奏はおかしいと思ったのですから、このジャンルは不得意な先生は多いと思います。
今から教室を開くみなさんにとっては、これから身につけるスキルとしては損はないのではないかと思います。
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